飾り棚・創作家具・オーダ－＆通販/家具コラム

ジェ－ムズ　クレノフ　この名前をご存知の方は　かなりの家具通です

じつは最近　彼の本をアマゾンで検索したのですが見つかりませんでした

いまごろどうしてるのかな？　もう亡くなっているかも・・・・

ジェ－ムズ　クレノフ

アメリカ人　　非実用家具作家　と呼ばれた男

彼は２０年前にワ－クショップのため来日しています

何を隠そうわたしはそのワ－クショップに参加しました

まったく彼のことは知らなかったのですが募集ポスタ－に目を奪われて
すぐに申し込みをしました

いままで見たこともない家具がそこには写っていました

”こんなひとがいるんだ”

あとで知ったのですがクラフト家具の世界では有名人でした

そのワ－クショップはバリバリのクラフトマンや職業訓練生、わたしのように趣味で木工を
やっている人間まで、約２０名ほどが参加していました

スライドを見ながらのレクチャ－と実技の５日間？は

木工へのテンションを目一杯ひきあげて

「オレも　（なんできゅうにオレなんだよ！）　こんな家具がつくりたい」

と影響うけまくりで帰宅しました
　

いまわたしが　ニッチな家具　というシリ－ズをつくっているのも
すくなからずそのときの影響があるかもしれません

もう故人となられましたが

工業デザイナ－の秋岡芳夫氏（ご存知のかたも多いかとおもいます）が

「ほとんどのものは最初がいちばんきれいで年月が経つにつれ
きたなくなってゆくが、木はますますきれいになってゆく」

といっておられました

本当にそのとおりだとおもいます

自宅の家具のテ－ブルやイスなどつくったころより

数段”キレイ”になっています

アメ色ににぶくひかるツヤはその歴史を映してくれていて

キズなど当然ついてはいるんですが

それも味となって部屋の中に溶け込んでいます

たまにお客さまのところで家具と”再会”することがあります

そのキレイなかわりようにビックリ

ほんものの木は年月をしっかり受けとめて

すこしずつきれいにかわってゆきます

キズなどなんのその

家族の歴史を思い出にかえて記録してくれます

アッ　　

このきずはお皿ぶつけたときのだね
あのとき　わんわん泣いちゃった・・・・

木の持つ魅力はこれからもおおくの人の心をとらえてはなさないでしょう

たとえどんなに時代がかわっていっても

たまにお客さまのところで自分の家具と　”再会”　することがあります
置かれる条件はさまざまですがその”キレイ”なかわりように　ビックリ

そんなことがあると　ますます木が好きになります

木のあたたかさを語る声はよくききます

さわるとあったか～い感じがする
きもちいい～って

でも木に温度差があるってご存知ですか？

簡単にいうとやわらかい木ほどあたたかく硬い木ほどつめたい

論より証拠

ためしに実際にさわってみてください

あっ　これは本物の木のはなしですよ
プリントした”木”ではなくて

もうすこし具体的にお話すると

木でもっとも軽いのは　バルサ
そう　模型なんかによくつかいますよね　あれは木なんですよ

つぎにキリ、スギ、ヒノキ、マツなどの針葉樹たち

漢字ってすごいですよね　　なに？？？
シンヨウジュ　漢字で針葉樹　

実物をみればおもわず納得ものです
だって葉っぱがすべて針のようにとがっています

見たことない？　マツはわかるけど・・・・
機会があればぜひみてみてください

あつ　ひとつまちがえていますね　キリは広葉樹です

これも字のごとく葉っぱが”広い”です

何の話をしていましたっけ？

そうそう　木の硬さについてでしたね

話をもとにもどすと

マツなどの次には　広葉樹のトチ、カツラ、クルミ、サクラ、タモ、ケヤキ、ナラ、チ－ク、

そしてジャラ、ウリン　ここらの木は水に沈みます
つまり比重が１・０以上あります　デッキ材にはひっぱりだこですね

どうしてこんなことを書いているかというと

わたしが一番よくつかう木は　クルミ　です

よくお客さんに聞かれます「クルミって硬いですよね」って

そのつど「いえ、中ぐらいです」って言うんですけど

あまり知っている人がいないんです
ま、当然といえば当然かも　　なぜならほとんど市場にでていないから見る機会もありません

材料そのものが少ないから大手のメ－カ－は使いません

なぜって？

次に作れなくなってしまうから、
大手さんは安定供給されるものしかつかいません

比較的　目にするものでウォ－ルナットがあります
ウォ－ルナットはクルミを英訳したものですが

おもに北米産のものをさし、材の性質はよくにていますが色合いが決定的にちがいます
ウォ－ルナットは黒に近いこげ茶色ですがクルミは明るい赤茶色です。手触りもＷＮの
ほうがやや硬いかなって感じです

クルミ（正式にはオニグルミ）は硬すぎず柔らかすぎず、あたたかみがあって適度に硬い
ためキズもつきにくい・・マツなどにくらべてですが

いずれにせよ家具材としては最高だとおもいます
個人的思い入れもいっぱい入っていますが　実際、ヨ－ロッパでは高級家具材として
ナラとともに昔から使われてきました

ここからは好き嫌いのはなしなのですが
くるいも少なく手触りもいい　クルミですが散孔材のため木目があまりはっきり出ません

材の性質の問題で環孔材のナラ、ケヤキ、タモ、クリなどのようにくっきりとした木目では
ありません。サクラやメ－プルのようにしっとりした木目になります

わたしはそんなクルミが大好きですが

もしお近くでクルミの家具をみかけたらぜひさわってみてください

でも　表示がクルミでも全然違ってたり、塗装によって質感がわからないことも
ありますから・・・

ここらへんのことは”質感”で書いていきたいとおもいます

じゃ　　また